「OSPF」の機能について説明します。エッジ装置にはシンプルなOSPF機能が実装されています。StaticRouteで個々に設定しなくても、ダイナミックルーティングを利用して、経路交換を実施することが出来ます。
有効化した場合のデフォルトの設定及び動作は下記の通りです。
項目 | 内容 |
OSPFプロセスID | 1 |
Area-id | 0 |
パスワード | なし(認証タイプ1の平文認証用) |
コスト | 1 |
Hello interval | 10秒 |
Dead interval | 40秒 |
Retransmit Interval | 5秒 |
ネットワーク指定 | 自動的にエッジ装置のLAN側のセグメントがOSPFのネットワークアドレスとして定義されます。 |
エッジ装置 LAN I/F MTU | 1500 ( 対向のルーター側をMTU1500に一致させる必要があります) |
エッジ装置から再配布されるmetric-type | 1 (コスト加算型) |
Distribution List | 初期状態は登録されたprefixはなく、暗黙のDenyが動作しています。 そのため、OSPFネイバールータからの経路は全て受け取らない状態です。 最大60個まで作成可能です。 |
OSPF利用時の経路交換について
- 「Distribution List」には暗黙のdenyが実装されています。
そのため「Distribution List」で何も指定しない場合、他エッジ装置へ経路広告できません。 -
エッジ装置のLAN側配下のOSPFネイバールータから受け取った経路情報は、「Distribution List」でpermitに指定した場合、すべてのエッジ装置へ経路広告します。
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エッジ装置のLAN側配下のOSPFネイバールータから受け取ったデフォルトルートは、「Distribution List」でpermitに指定した場合、すべてのエッジ装置へ経路広告します。
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他のエッジ装置から受け取った経路(デフォルトルート含む)は、OSPFによりLAN側のOSPFネイバールータへ全て再配布します。
但し、ルーティングループを防止するため(自拠点の経路を再配布しない)、「Distribution List」でpermitに指定したネットワークセグメントは、LAN側へ再配布しない仕様となります。 -
エッジ装置のLAN I/Fに接続しているネットワークセグメントは、直接接続(Connected)として他の拠点のエッジ装置へ経路広告するため、「Distribution List」でpermitする必要はありません。
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他のエッジ装置から受け取った経路は、LAN側へ再配布する際に適用するタイプは、コスト加算型(シードメトリック値に経由するルータのコスト値を加算)となります。
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インターネットのIPリーチャビリティがなくなった場合(インターネット回線障害等)、ヘッドレスモードとなり、エッジ装置が持っていた経路に基づき通信を継続します。
その経路を保持する時間は48時間となります。
48時間後は経路情報がクリアされます。
留意事項
- エッジ装置ではLAN側から受けとる経路情報や他の拠点から受け取っている経路情報は、コントロールパネルでは確認できません。
経路情報を確認したい場合、自拠点では配下のOSPFルータの経路情報を確認頂き、他拠点のエッジ装置の配下のOSPFネイバールータで経路を取得できているか確認してください。 - エッジ装置のオーバレイ上ではBGP(WAN側)が動作しています。LAN側でOSPFを利用している場合、OSPF(LAN側)からBGP(WAN側)に再配布します。
その際に、OSPFのコスト値を、BGPのMED値へ自動的に変換します。 - CloudWANのオーバレイ内のルーティングは、デフォルトルートはロードバランスします。
- LAN側OSPFを有効にする場合、セグメンテーションとの併用は出来ません。
(複数LANでLAN側OSPFを設定することはできません。後から設定した最後の1つのOSPF設定のみが有効になります。先に設定したOSPF設定は設定上は入ったままになりますが、機能しない状態となります。) - LAN側OSPFを有効にする場合、スタティックルートと併用はできません。
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