コントロールパネル
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コントロールパネル(セキュアパッケージタイプ):VRRP / ホットスタンバイ構成
ホットスタンバイ
拠点に設置するエッジ装置を冗長構成するサービスです。エッジ装置やWAN回線の故障が発生しても自動で迂回の経路に切り替わり、通信を継続することができます。故障交換が完了するまでの通信断を回避することが出来ます。
接続構成
- セキュアパッケージ スタンダードプラン・ホットスタンバイは、お客さまの拠点宅内にエッジ装置を2台設置し、1台のエッジ装置に1つのWAN回線を接続する構成となり、エッジ装置やONU/光スプリッタの故障時に通信継続することが出来ます。
- メインで利用しているアクセス回線(主回線)とバックアップで利用しているアクセス回線(副回線)がNTT東西の収容状況により同一設備に収容される可能性がございます。同一設備に収容された場合、同時借用工事または同時故障が発生する場合がございます。
- セキュアパッケージ スタンダードプラン・ホットスタンバイは、回線バンドルが必須のサービスプランです。お客様が既存利用している既設回線の流用は出来ません。
- 主回線(ビジネス向け)と副回線(戸建て向け(ファイバーラインバンドル))をコントロールパネルで申込頂きます。
- 本プランはHot-Standby構成(VRRP)であり、Act-Actではご利用できません。また、帯域設計としてはシングルと同等となります。
- LAN側はVRRPを利用します。VRRPが利用可能なL2SW等を、お客さまにてご準備いただく必要があります。各エッジ装置のLAN-1ポートをL2SW等と接続します。
基本機能
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2台のエッジ装置をMasterやStandbyとして指定する際は、VRRPのPriority値を設定するのではなく、コントロールパネルの「エッジ装置の選択」から明示的にPrimary機とSecondary機を設定します。
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正常時、Primary機はMasterとしてオーケストレーターとのCプレーントンネル、および他拠点とのDプレーントンネルを確立します。正常時のお客様データ通信はPrimary機を利用します。
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Secondary機はStandbyとしてオーケストレーターとのCプレーントンネルのみを確立します。
正常時にはお客様データ通信はSecondary機を経由しません。 -
WANポートの接続設定は、Primary機/Secondary機それぞれに設定が必要となります。
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LANポートの設定は、コントロールパネルの「Primary」から設定ください。Secondary機のLANポートの設定も含まれます。
故障時の切り替わり動作
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切り替わり条件は、「WAN回線の障害」「LAN I/Fのリンクダウン」「エッジ装置の電源断」となります。特定のIPアドレスへの通信断を契機に切り替わりを動作させる、トラッキング機能はありません。
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Primary機からSecondary機へMasterが切り替わった直後は、Dプレーントンネルが他の拠点のエッジ装置と確立できておりません。切り替わり直後からDプレーントンネル確立までの間は通信断が発生します。
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他の拠点のエッジ装置とのDプレーントンネルは、順次確立していくため時間差があります。
数十秒から約120秒程度で順次Dプレーントンネルが確立されます。 - 故障発生から検知・切り替わり・Dプレーントンネルの確立が行われ、通信が復旧するまでの所要時間は数十秒からおおよそ3分程度となります。お客様がご利用のWAN回線の状況や、Dプレーントンネルの本数などにより、所要時間は増減します。
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Primary機/Secondary機がほぼ同時にインターネット回線の故障を契機に通信不可となった場合、またはほぼ同時に回復した際に、最大2分の通信断が発生いたします。
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オーケストレーターから取得・表示可能な情報には約1分程度のタイムラグがあります。
そのため、実際にDプレーントンネルが確立され、通信ができるようになった場合でも、オーケストレーターから取得する情報としてはトンネル数が「0」と表示されることがあります。
故障時の切り戻り動作(標準の設定:PreemptモードONの場合)
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Primary機の復旧にともない、Secondary機からPrimary側へMasterが自動的に切り戻ります。
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切り戻り時にも、Primary機側でのDプレーントンネルの再確立が発生します。
Dプレーントンネルの再確立時には通信断が発生します。 -
切り替わり時と同様に、他の拠点のエッジ装置とのDプレーントンネルは、順次確立していくため時間差があります。数十秒から約120秒程度で順次Dプレーントンネルが確立されます。
- 切り替わり時と同様に、故障回復から検知・切り戻り・Dプレーントンネルの確立が行われ、通信が復旧するまでの所要時間は数十秒からおおよそ3分程度となります。お客様がご利用のWAN回線の状況や、Dプレーントンネルの本数などにより、所要時間は増減します。
故障時の切り戻り動作(PreemptモードOFFの場合)
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PreemptモードがOFFの場合、Primary機が復旧した後も、Secondary機からMasterは切り戻りません。
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(例)Primary機のLAN I/F断を契機に、Secondary機へMasterが切り替わった場合
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Primary機へMasterが切り戻る契機は以下のいずれの条件も満たす場合です。
いずれか一方の場合は切り戻しは発生しません。-
Primary機のLAN I/Fのリンクアップ
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Secondary機の「WAN回線の障害」または「LAN I/Fのリンクダウン」または「エッジ装置の電源断」
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PreemptモードがOFFの場合、手動によりMasterを変更する際には、コントロールパネルからのリモート再起動、またはエッジ装置自体の電源ON/OFFをお試しください。いずれの場合も通信断を伴います。
設定パラメータ
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切り替わり時間は「キープアライブ間隔」で変更可能です。指定した秒数×3回で切り替わりが動作します。キープアライブ間隔のデフォルト値は10秒となりますので、切り替わりは通信断が約30秒継続すると動作し、Dプレーントンネルの再確立の完了後に通信が回復します。
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VRRPグループIDはエッジ装置配下のLANのネットワークセグメントでユニークである必要があります。他の拠点にもホットスタンバイがある場合、自拠点のVRRPグループIDの値が、他の拠点のVRRPグループIDと重複しても問題ありません。
VRRP機能に対する設定項目の設定値は以下となります。
項目 | 値 |
VRRPの有効化 |
VRRP機能を有効化するフラグです。 |
キープアライブ間隔 |
切り替わり判定の状態確認の監視インターバルです。 |
Preemptモードの有効化 |
切り替わりからの切り戻り動作の自動実施のフラグです。 |
仮想ゲートウェイのIPアドレス |
VRRPで使用する仮想のLAN-IFのIPアドレスです。 |
VRRPグループID |
VRRPで使用するグループIDです。 |
留意事項
- VRRP機能は、OSPFやBGPの機能と併用することができません。
- VRRP機能は、ワイヤレスバック拠点と併用することはできません。
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このホットスタンバイ構成でStaticルートを設定する際、存在しないnext-hopへのstaticルートを設定してしまった場合、PrimaryおよびSecondary両方のDプレーントンネルを意図せず確立してしまいます。必ず正しいnext-hopを設定をしてください。
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例. VRRPのLAN側 NWセグメント:192.168.1.0/24 の場合
- 誤:Staticルート:172.16.1.0/24 next-hop 192.168.2.254
- 正:Staticルート:172.16.1.0/24 next-hop 192.168.1.254
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例. VRRPのLAN側 NWセグメント:192.168.1.0/24 の場合
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故障時の保守交換はポータルから手配が可能です。
オンサイト保守ご契約の場合、オンサイト保守員が2台(または指定の1台)のエッジ装置を持参し、現地に駆け付け、Primary機及びSecondary機共に保守交換を実施します。
交換する際には通信断が発生します。 -
弊社にてメンテナンス工事開始時にStandbyとして動作しているエッジ装置(Primary機またはSecondary機)のCプレーントンネルを自動的に切断します。また、メンテナンス工事完了時に、Standby機のCプレーントンネルを再接続します。この結果、メンテナンス工事時に切り替わりに伴うお客様通信(Dプレーントンネル断)は発生せず、ご利用を継続頂けます。
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オーケストレーターのメンテナンス工事時間中は、Masterとなっているエッジ装置のDプレーントンネルは確立し続けるため、そのDプレーントンネルを経由し、お客様通信を行います。
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オーケストレーターのメンテナンス工事時間中は、Cプレーントンネル断に伴う、MasterからStandbyへのエッジ装置への切り替わりは行われません。
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オーケストレーターのメンテナンス工事時に、Cプレーントンネルを自動的に切断する対象となるホットスタンバイのMasterの判断条件は、ホットスタンバイ拠点のPrimary機とSecondary機のそれぞれのステータスがActiveになっているかつ、Dプレーントンネルを確立しているエッジ装置がMasterとなります。
※エッジ装置未設定(Dプレーン確立しない)の場合、本対処の対象外です。
※ホットスタンバイ拠点のPrimary機とSecondaryのそれぞれのステータスが「片方のエッジ装置のみActive」又は「どちらもActiveになっていない」場合は、本対処の対象外となります。 -
「PreemptモードがON/OFF」の設定により、本対応の動作の違いはございません。
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本対処は、Cプレーントンネル断を伴うメンテナンス時を対象とします。サービス全体にかかわる障害対応の工事時、セキュリティ対応等の緊急メンテナンス工事時は対象外とさせて頂きます。
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Standby機として動作しているエッジ装置(PrimaryまたはSecondary)のCプレーントンネルの切断、再接続を契機に、対向拠点からActive機に加えてStandby機ともDプレーントンネルがまれに確立されます。
- 対向拠点からホットスタンバイ拠点との間の通信がActive機、Standby機とでロードバランスします。対向拠点のリモートまたは現地でのエッジ装置再起動により回復します。
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